本計画地は二面道路の敷地であり、外周部の60%が比較的通行量の多い道路に接しております。
この場所にデザイン性が高く人目を惹き、この地域のシンボルになる様な建物を造れたらと思い設計しました。
外観はエネルギーの供給という公共性の高い開かれた企業であることをアピールする為、道路側にガラスを多く使い、規則的に壁を配置し奇を衒ったデザインにならない様配慮しました。
配色は天然資源であるガスを供給する会社という事と近隣の方々に親しみを与える色をという思いからアースカラーであるグリーン、ブラウン系を採用しました。
植栽は黄色と緑の背の低いグランドカバーの中に株立ちの目の通る樹木を配置しライトアップするなど地域の方々も見て楽しめる緑を演出しました。周辺住民への周知を狙い、建物南側の道路から見て目立つ位置に夜間点灯するコーポレートマークを設置しました。
1階ショールーム建物全体の計画は1階をエントランス・ショールーム、2階を事務所、3階を休憩・食堂コーナーという計画になっております。それぞれの階を独立して利用できるよう共用部と専有部(執務室等)を明確に分け配置しました。
更衣室・トイレ等のプライベートな部分は各階の共用部分をからの同線とし、1階のイベント時など利用人数が多い時は上階の水回りを気兼ねなく利用できるよう計画しました。
また、執務室など常時複数の人がいる場所から一度別の空間を介して利用できる洗面・トイレはここで働く人への配慮でもあります。
2階へ上がる階段付近1階は来訪者がこの建物のエントランスを通りショールーム、上階の事務所へ導かれる同線計画としました。
また、職員の出入口は建物妻側に別に設けてあります。
駐車場からの同線計画もお客様と職員の導線を明確に分けました。エントランスは1階店舗のイベントなどで商品を並べる想定とした事と建物全体の顔である事を意識し広めの空間としました。
また、デザイン性の高い空間を演出するため、自動ドアを入って正面に裏の水回りの扉を隠す為の壁を設け、ショールームのサインをライトアップする。外からつながる庇の天井部分に変化のある木目を使う。ダウンライトの配置間隔、庇上部に間接照明を設け天井を光らせるなどのしつらえを施しました。
2階事務所スペース2階は事務所を設けました。
執務室が雑然としないようコピー室・給湯室・倉庫等は廊下を介して入る同線計画とし、執務室から見えないように配置しました。
また、複数の人が利用する為、給湯室・コピー室は二方向から利用できるよう計画しました。
執務室は天然の木を張り合わせた材料に、玩具の塗装に利用できる安全な塗料を塗って造った本棚や、デザイン性の高いガラスのタイルを貼って造ったニッチ(飾り棚)を設け、壁・床の配色も暖色系の色調とし、あたたかい空間を演出しました。
照明は集中して仕事ができるようデスク周辺は白色光を採用し、その他の部分は暖かみを感じる電球色を使い外部からの見え方や、机から目を離した時に目が休まるよう配慮し計画しました。
また、デスク上部の照明は上下配光となっており、天井面をやわらかく光らせ空間の広がりを演出して、心理的効果の高い光環境を計画しています。
3階食堂・休憩コーナー3階は1・2階の職員の為の食堂・休憩コーナーを設けました。
見晴らしの良い気持ちの良い空間で、職員同士のコミュニティーを形成できたらという思いで計画しました。その為、給湯室はカウンター付のオープンキッチンとし会話を楽しみながらお茶を入れたり、差し入れのお菓子等を置いて自由に食べたりできるようしつらえました。
照明計画・仕上材は将来執務室に変更できるよう、2階と同様の考えに基づき計画しました。 屋上は大型の空調室外機を北側の端に設置してあるので広く空いております。
将来、空調室外機を上手く隠しウッドデッキ等を敷き、気持ちの良い空間を造る事ができると思います。
周りに高い建物も無く見晴らしも良いです。1階の店舗で造ったお菓子を屋上で食べるもよし、職員の方が利用するもよし是非有効利用して欲しいと考えております。
最後に、この大東ガス鳩ヶ谷ビルが沢山の人が集まる地域シンボルになることを切に願います。